投稿日:2015年1月22日|カテゴリ:コラム

心因性痛/DSM5に依る『体感幻覚/幻痛』というのは、見えないものが見える、感じないものが感じる痛みです。

このメカニズムは未だ詳細は未明ですが、四肢切断後痛等では一次体性感覚野(SI)に於ける切断後の機能的再構築(reorganization)に依る、中枢~末梢神経及び大脳皮質~大脳皮質下部位に於ける『ネットワーク障害』から来る幻覚的痛みと評価されています。

切断後幻痛は、大きな意味で神経痛・・神経障害性痛の一つに入れられます。

余りに最新式慢性痛治療薬(セレコックス、リリカ、トラムセット、トラマール等)や慢性痛緩和系抗鬱薬(ノリトレン、トリプタノール、サインバルタ等)の西洋薬を多剤投薬させて逝けば、それなりの効果は得られますが、過眠やふらつきや肥満化や中毒症状等の副作用でQOL(生活の質感)は落ち込み、最悪は日常生活が不能に陥ります。

心因性痛や線維筋痛症を…代表とする中枢機能障害性痛では、多数医療機関受診(ドクター・ショッピング)で精神的に医療者とのラ・ポール(信頼関係)形成が崩れてしまって居る事が多い為、逆に怖がらずにメンタル系薬を除く疼痛緩和系西洋薬を全て中止して、漢方薬程度迄減薬させ、暫く様子を見ても大きく変わらない可能性も有ります。
だって事痛みに関してはガンガン薬で攻めても結果変わらなかったんですから、やめても変わらないとも言えます。

特に心因性痛では薬の効果というよりも感情や精神の落ち着きやバランスで痛みの程度が大きく変わるのですから、メンタル系薬を除く疼痛緩和薬は減薬しても余計変わらないかもしれません。

漢方製剤特に動物性生薬を取り入れた中医学的製剤が効果的に働くことも有ります。。

心因性痛とは、神経系の『ネットワーク障害』なのですから、当然、東洋医学の『気血水』と言った心身の流れを整流してやるだけで、心因性痛に依る痛みへの治療効果は望めます。