投稿日:2015年7月4日|カテゴリ:お知らせ, コラム

『慢性痛とメンタル/考』
有痛性筋痙攣こと『こむら返り』は発症すると地獄の痛みです。 皆さまも御経験は御有りに成るでしょう。 急性期痛と思われていますが、ちゃんと正式な理由の元おこって来るので、わたくし的には慢性痛の急性期症状を理解しています。

第二次成長期での過激運動に依る、血中生化学バランスの低下や筋肉の過剰収縮(20世紀迄は乳酸が溜まると誤解されて居ましたが、筋疲労は乳酸貯留では無く、筋の過剰収縮に依るものです)により多く起こります。 又高齢者や中高年層でも運動不足の方や逆に年齢を考慮しない過剰運動過多の方にも良く起こります。 過剰な『加圧トレーニング』や『ホットヨガ』や『岩盤浴ストレッチ』等でも起こり得ます。 勿論、内臓疾患にて生化学バランス崩れた方にも頻繁に起こります。

対策と予防は、ひたすら運動前後に真面目にちゃんとストレッチを行う事です。 特に動的ストレッチが有効です。 又、水や麦茶では無い、スポーツドリンクをまめに給水する事です。

芍薬甘草湯が『こむら返り』の特効薬ですが、実は中医学を起源とする『抑肝散』や『疎経活血湯』や『ヨクイニン湯』も、こむら返りを起こさせ無くさせたり、慢性痛緩和させる作用機序を有して居ます。

抑肝散に含まれています『釣藤こう』はドパミンD2D3フルアンタゴニスト、セロトニンA1A2パーシャルアゴニストとしての作用機序が有り、まるで最新式非定型型抗精神病薬と同じ作用機序が有ります。 ここが慢性痛緩和に有効なエビデンス理由です。 これは、インド起源のChinaルーツな薬草ですが、数千年前に何故こんな薬が編み出されたのかが、ピラミッド製作の秘密とも似て居ます。

疎経活血湯はChina起源ですが、そのものズバリ『活血』に依る、慢性痛緩和を行います。

ヨクイニン湯の成分であるヨクイニンも本来シミやイボを減らす力が有りますが、実は痙攣を抑える力も備えて居ます。 まるで抗癲癇剤である、アイドル薬PGB『リリカ』様的効果が有ります。

痛みは、脳の精神衛生環境で決まります。 慢性痛で、メンタルを犯されて居無い症例は99.9%無いと言えるでしょう。

慢性痛とメンタル特に『鬱』は切っても切り無い理由が、大昔から提唱されている『モノアミン仮説』です。

慢性痛=鬱では有りませんが、慢性痛には殆ど鬱は伴いますし、鬱にも慢性痛は伴います。

医療人が、メンタル無視して、メンタル怖がっての、慢性痛治療は有り得ません。

ガンガンメンタルを扱って、それを経験として乗り越えれば、その先が見えて来ます。

医療人をメンタルをビビるな!!

メンタル理解せざるして、慢性痛を解決さえる事は有り得ません。

抗鬱薬や抗癲癇薬や非定型抗精神病薬は、慢性痛に非常に効果が有ります。 逆説的には、薬や神経ブロックや経絡注射等全く利用しなくとも、超高度な『認知行動療法』と『瞑想』だけでも、慢性痛は抑えられる可能性は高い訳です。

故に、現代では心療内科や精神科が慢性痛を扱う事も多いですが、本来、慢性痛を解決して来たのは、わたくしども身体科の『ペイン科や漢方内科』ですから、身体科に更なるメンタル理解度を高める精進が求められます。

一生勉強!! 勉強やらなくなったら、医療人は廃業すべきです。