侵害受容性疼痛とは

侵害受容性疼痛とは体の組織に害を及ぼすような強い刺激(ケガや火傷など)が加えられると、 体の組織に分布した、こうした刺激に反応する神経繊維が興奮して電気信号を脊髄、脳へ向けて伝達することによって感じる、いわゆる一般的な「痛み」をさしています。
一般的な「痛み」とはケガや火傷をしたときの痛みで、ケガをするとその部分に炎症が起こり、痛みを起こす物質が発生します。
この物質が末梢神経にある「侵害受容器」というところを刺激するため、「侵害受容性疼痛」と呼ばれています。
このような痛みのほとんどは、急性の痛みで、肩関節周囲炎(いわゆる五十肩)や腱炎(けんえん)、腱鞘炎(けんしょうえん)、関節リウマチなどがあります。

侵害刺激による痛みの例

捻挫した関節、やけど、切り傷が腫れて熱をもって痛む

傷害された組織で炎症が起こり、痛みをおこす化学質 (発痛物質)が出て、侵害刺激となる。また腫れが神経 を機械的に刺激する。

虫歯であごまで腫れて痛む

感染に伴う炎症反応、腫れによる物理的刺激。

おなかの痛み

強い消化管の収縮や拡張

機械的刺激

虚血に伴う発痛物質など腹膜への炎症波及

感染(虫垂炎)で腹膜炎をおこしたとき

肝臓癌で右の脇腹からおなかが痛い

肝臓癌の増大での肝被膜の伸展刺激

頭痛

偏頭痛でずきんずきんと痛む

血管の拡張による痛み

夕方になると頭がしめつけられる様に痛い

首から頭にかけての筋肉の収縮による痛み(筋緊張性頭痛)

髄膜炎での痛み

髄膜への炎症

脳腫瘍での痛み

頭蓋内圧亢進での髄膜の伸展刺激など

関連項目